攻略!日商簿記検定

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【簿記1級】単一基準配賦法と複数基準配賦法 その3

 

 

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・複数基準配賦法による予定配賦額の計算

 

単一基準配賦法による予定配賦では、補助部門の予算差異が製造部門に配賦されることはありません。しかし補助部門によって管理不能な操業度差異までも補助部門勘定に残ってしまいます。

 

補助部門の操業度差異(固定費での予算差異のこと)は、製造部門において予定と実際でサービス消費量が違うために発生するものであり、補助部門側の責任ではなく製造部門側の責任となります。なので、補助部門の操業度差異に関しては原価計算上製造部門に負担させるのが望ましいとされます。

 

つまり、固定費と変動費を同じものとして計算する単一基準法では、変動費と固定費の性質に応じた正確な配賦計算がおこなえないという欠点があるのです。この欠点を補うためにあるのが複数基準配賦法です。

 

 

・複数基準配賦法による予算許容額配賦

 

複数基準配賦法による予算許容額予定配賦とは、補助部門の変動費は予定配賦率に実際のサービス消費量を掛けて計算し、固定費に関しては予算額を関係部門にサービス消費能力割合で配賦する方法です。これが単一基準配賦法の欠点を克服しており、原価計算における配賦計算でもっとも最善の計算方法と言えます。

 

 

例題:当社の動力部門はその製造部門である切削部門と組立部門に総力を供給している。↓の資料により直接配賦法と複数基準配賦法により動力部門費の配賦を行いなさい。また変動費は予定配賦し、固定費は予算額を配賦する。また差異分析も行いなさい。

 

<資料>

1:製造部門の動力消費量

  切削部門 組立部門 合計
(1) 月間消費能力 250kw 250kw 500kw
(2) 月間予想総消費量 300kw 250kw  550kw 

(3) 当月の実際消費量

280kw 300kw 580kw

 

 

※月間消費能力の600kwと月間予想消費量550kwは当年度の年間消費能力と年間予想総消費量に基づいて設定している。

 

 

2:動力部門の月次変動予算及び当月実績データ

 

  月次変動予算 当月実績
動力供給量 550kw 500kw
動力部門費    

 固定費

5000円 4600円

 変動費

2750円 3500円

合計

7750円 8100円

 

 

 

 

 

<解答>

 

・変動費の計算(予定配賦率×実際サービス消費量)

 

動力部門費の予定配賦率:2750円÷550kw=@5円

 

切削部門:@5円×280kw=1400円

組立部門:@5円×330kw=1650円

 

 

・固定費の計算(予定額をサービス消費能力の割合で配賦)

 

切削部門:5000円×(250kw+250kw)×250kw=2500円

組立部門:5000円×(250kw+250kw)×250kw=2500円

 

 

・差異分析