攻略!日商簿記検定

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【簿記1級】仕損費の仕訳処理のやり方

 

 

仕損費の分類

 

復習ですが仕損費はその発生原因から正常仕損と異常仕損に分けることができます。そして会計処理には3つのパターンがあります。

 

・正常仕損→製品原価に含める(①直接経費処理 or ②間接経費処理

・異常仕損→③非原価処理

 

 

 

・正常仕損の会計処理

 

モノを作ったことがある人なら分かると思いますが、製品を製造する際には制約だったろミスだったりでどうしても避けようのない仕損が発生してしまいます。こうした仕損を正常仕損といい、それにより発生する費用を正常仕損費と言います。

 

この正常仕損は製品を製造する上で必ず発生してしまうコストなので、製品原価に含めます。そして製品原価において、直接経費に含めるか、間接経費に含めるかの2つの処理方法があります。

 

 

 

・異常仕損の会計処理

 

通常発生しうる程度を超えた仕損が発生した場合や、火災や事故といった予期せぬアクシデントにより発生した仕損は異常仕損とされます。そしてそれに伴う費用を異常仕損費と言います。

 

異常仕損費は非原価項目として処理され、P/L(損益計算書)では営業損失 or 特別損失に計上されます。

 

 

例題:↓の資料に基づいて仕損費の仕訳処理を行いなさい。

 

 

  No1 No1-1 No2 No2-1 No3 No3-1 合計
前月繰  1000           1000
直接材料費  3000  500  6000  7000  10000 1200 27700
直接労務費 2000 900 3000  3500  5000 600 11000
製造間接費              
切削部門 4500 2000 6000 7500 8000 3000 31000
組立部門 2500 1500 4000 5000 7500 4000 24500
合計 7000 3500 10000 12500 15500 7000 55500
仕損品評価額     △5000     △1000  
仕損費   △3500 △5000     △6000  
合計   0 0     0  

 

 

1:製造指図書No1の製造中に切削部門で生じた仕損は通常起こりうる程度である。そして原因はNo1の製造にあるためNo1の製造原価にのみ負担させる。

 

2:製造指図書No2の製造中に組立部門で生じた仕損は予期しない事故によって発生したものである。

 

3:製造指図書No3の製造中に組立部門で発生した仕損は通常起こりうる程度のものであるが、組立部門が原因なのですべての製品の製造原価に負担させる。

 

 

 

<解答>

 

・No1-1の仕訳処理

 

1:製造指図書No1の製造中に切削部門で生じた仕損は通常起こりうる程度である。そして原因はNo1の製造にあるためNo1の製造原価にのみ負担させる。

 

「仕損は通常起こりうる程度のもの」で「特定の製品の製造原価のみに負担させる」とされているので①直接経費処理 であると分かります。そして、No1の製造原価は7000+3500=10500となります。

 

 

<仕訳>

(仕掛品)3500 /(仕損費)3500

 

 

 

・No2の仕訳処理

 

2:製造指図書No2の製造中に組立部門で生じた仕損は予期しない事故によって発生したものである。

 

上の文面からこの仕損は異常仕損であり、③非原価処理だと分かります。そして、非原価処理の場合は発生した仕損費を「損益」という勘定科目に振り替えます。

 

<仕訳>

(損益)5000 /(仕損費)5000

 

 

 

・No3の処理

 

3:製造指図書No3の製造中に組立部門で発生した仕損は通常起こりうる程度のものであるが、組立部門が原因なのですべての製品の製造原価に負担させる

 

この2つの文面から②間接経費処理であるとわかります。このとき仕損費は間接経費勘定科目である「組立部門」という勘定科目に振り替えます

 

<仕訳>

(組立部門)6000 /(仕損費)6000

 

 

 

・仕損費の処理

 

次に仕損費と仕損品評価額を仕掛品勘定に振り替えます。

 

<仕訳>

(仕損品)6000  /(仕掛品)20500

(仕損費)14500

 

これと上の3つの仕訳を合計したものをまとめます。

 

 

<仕訳>

(組立部門)6000 /(仕損費)14500

(仕掛品) 3500

(損益)  5000

 

         ↓

 

<仕訳>

(組立部門)6000 /(仕損費)17000

(仕損品) 6000

(損益)  5000